昔のことである。
備前の某所に一人の若い杣人(きこり)がいた。
ある時、木を取ろうと山に入っていったところ、何やら人の、それも若い娘の声がする。
こんな山中に若い女がいるなどおかしなことだと思いながらも声のするほうへと行ってみた。
すると、真っ白な髪をした裸形の女がいるではないか。
一六、七ほどの何とも美しく、艶かしい姿の女である。
しかし落ちついて良く見てみると、女の頭には獣の耳のようなものがあり、尻から真っ白な尾がはえているその目は翡翠のような色をしている。
これは魔性のものに違いないと、杣人があわてて逃げ出すと、異形の女は痴れ狂ったように笑い、口汚く罵りをぶつけてきた。
杣人は転がるようにして山を降り、ようやくの思いで家に帰って後しばらく寝こんでしまった。
後に土地の古老に尋ねた所、自分が若い頃、近隣の村で魔性のものと交わった娘がおり、白い髪の人とも獣ともつかない子供を産んだという話を聞いたことがあると語った。
その子供は山に捨てられたと伝えられているが、恐らく杣人が出会ったのは、その子供が大きくなった姿であろうと人々は噂しあった。
でんべえさまからテキストをいただきました!!
ありがとうございます!
リクエスト投票第3位は獣毛多めの獣娘。
…あんまり上手く描けなかったかも。
でんべえさま、ありがとうございました!