「昔々…といっても今からそんな昔でもないんだが…」
ゆっくりと腰を動かしながら語りはじめる。
「とある国に歳はまだ子供といっていいくらいだったけど、聡明でとても可愛らしい姫がいたんだ。」
…そう、誰に聞いてもそう話す。
その姫の国は、隣の大国に属していた。
姫は親である王が早く死んだ後大臣たちの意見をよく聞いて、曲がりなりにも国の主として恥ずかしくなく国を治めていた。
だが、彼女の幼さと聡明さは、彼女に致命的な過ちを犯させてしまう。
大国の王が代わり、新たな王の戴冠式のため諸国の王族が集まった席でも、彼女はひときわ目立つ存在だった。
そう、新たに大国の王妃となった女性よりも。
「あの生意気な女をひどい目に遭わせたいの。」
…と大国の王妃は言ったらしい。
「いきなり何を…一国の女王をそんなに簡単にひどい目に遭わせられるものか。」
王は一度は止めたと聞いている。
「たかが属国の女王、どうにでもできましょうよ…それに…あなたもあの小娘がどんな声を上げて泣くのか…聞いてみたいんじゃなくて?」
王妃がさらに促す。
好色で知られる王がその言葉で決意したのかどうかは俺は知らない。
俺が知っているのは、彼女が王妃に大国の離宮へと呼び出されたことと、そこで彼女が受けた仕打ちだけ。
まずいきなり彼女を襲ったのは他ならぬ大国の王だったという。
そして、数知れない男達がかわるがわる、まだ二十歳にはかなり間がある幼い彼女の身体を好き放題に弄ぶ。
何人の男が彼女に精を注いだのかははっきりわからないが、五十人を越えるくらいの男たちに犯されたのだけは確からしい。
とにかく、彼女への責め苦は一晩中続いたという。
翌朝、男たちがようやく彼女を解放した時には、花のようだとうたわれた微笑みも利発そうな瞳の光も消え失せ、まさに廃人同様の姿だったらしい。
「…ふふ、汚らしいこと。これじゃもう、だぁれも相手してくれないわね。」
あまりにも激し過ぎる凌辱にばっくりとこじ開けられたままの膣から血が混ざった精液がだらだら溢れても、唇の端からよだれと一緒に精液が流れ出してもぴくりとも反応しない彼女を見て王妃は満足げにそう呟いたという。
彼女の国には、離宮で彼女が病に倒れて人事不省になったと説明があった。
…もちろん、誰もそんなことを信じやしなかったし、彼女の身の上に起こったこともわかっていた。
彼女の国に住む者は貴族も平民も皆憤り、変わり果てた彼女―女王のために悲しんだ。
しかし、大国には何もできなかった。
それだけ、その当時彼女の国とその大国の力の差は大きかったから。
「…その後彼女は一人の子を生んだ。もちろん父親なんて誰だかわかりゃしないけどな。」
一通り語り終えて再びスファーナを責めることに意識を戻す。
「…その…子供って…」
スファーナが何かを悟ったらしい。
「その哀れな女王の名はマリエル・メルクール…その産んだ子の名前は…」
一気に腰使いを激しくしながら一語一語はっきりと話す。
「あくっ…ぁ…い、いやっ、いやぁっ!!!」
突かれる痛みから逃れるためなのか、自分の予想が正しかったことを教えられるのが恐ろしいのか、スファーナが激しく首を振る。
その脇でレスティナが力なく首を振る。
「ラスタル・メルクールだ!」
ひときわ強くスファーナを突きあげ、彼女の中にどくどくと精をぶちまけながら、俺はスファーナにこの話の結末を告げた。
スファーナ姫第22幕 凌辱の連鎖
さて、ということで新キャラはラスタルの母親でした。