凌辱の方程式

―5―

「お?」
 腰の抽送を次第に速くして睦月のぷりぷりとした内部の襞々を味わいながら、ふと、彼女の膣内のナノマシンから送り出された情報の分析結果が表示されているモニターを見て、思わず声を上げてしまう。
「今日は、排卵日なのか…」
 ナノマシンが分析した睦月の生理周期は今ちょうど排卵日らしい。
 彼女が自分の子供を宿す可能性が高いことを知って、俺の興奮が爆発的に高まり、息子がひくっと痙攣して、我慢汁を噴き出す。
 生理周期の下に表示されている膣内の精子濃度がそれだけでかなり増えて行く。
 さらにその下の妊娠可能性の数字もじわじわと上がりはじめる。
「え?い、いやあぁぁぁぁっ!」
 俺が見ている画面を見た睦月が音程の狂った悲鳴を上げる。
「ごめんな?この船にゃ避妊具は積んでないんだ。」
 今回の興奮がもう堪えられないものと悟って、俺は射精のための腰使いを始める。
「い、いやっ!いやっ!いやぁっ!!」
 俺の動きが急に激しくなったせいで痛みの方が先に立つようになったのと、避妊具がないと言った俺の言葉に込められた意味がわかって、半狂乱になって叫ぶ睦月。
「中にっ!中に出さないでっ!!!!」
 奥で小刻みに動きはじめた俺に睦月が懇願する。
 その声が俺に信じがたい興奮をもたらしてくれる。
「むつきっ!もう、すぐだ!も、すぐだからっ!!」
 睦月の奥を突き上げる俺の動きが最高潮に達する。
 もう根元まで高圧の塊が押し寄せてきていた。
「だめっ!だめっ!!!そ、そとっ!!!!!」
 睦月の哀願を聞きながら俺は思い切り腰を叩きつけ、彼女の一番奥深くを征服したままで腰の引き金を引いた。
「むつ、きいぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
 その瞬間、まるで恋人と初めてセックスしたガキのように俺は彼女の名前を叫んでいた。
 熱い塊が腰の奥から一気に尿道をかけ抜けて、睦月の最深部目がけて射出される。
 彼女の膣内の精子濃度と妊娠可能性の数字が一気に跳ね上がる。
「あ゛!!!」
 俺の動きが急停止し、精が打ち出されたのを感じたのか、睦月が短い悲鳴を上げて一瞬びくりと震える。
「…い、いやああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
 睦月の絶望的な絶叫が響く中、俺はこれまで出したことのないような勢いで、がくがくと身体を痙攣させる彼女の処女地に溜まりにたまった精液をぶちまけていった。
 彼女の内部を映していたナノマシンの画像が真っ白に染め上げられる。
「あ、ああ…ぁ…」
 睦月のとび色の瞳から急激に輝きが失われていく。
「く、う!…むつ、き…!」
 俺は、うつろな瞳からぽろぽろと涙を流しつづけている睦月に覆いかぶさるようにして、本能的な収縮を見せる幼い膣に、最後の一滴まで残らず注ぎ込んで行った。
「ほら、見えるか?」
 長く続いた射精を終えて、睦月を貫いたまま、手元のリモコンでナノマシンの画像の倍率をあげてやる。
「いや…いや…」
 無数のおたまじゃくしが画面の中を元気良くうようよと泳いでいるのを見た睦月が弱々しくうめく。
 俺も今、目の前の美少女のお腹の中を俺の精子たちが泳いでいる光景を目の当たりにして、異常な興奮を覚えてしまう。
「みんな、睦月の宝物を探してるんだぜ?」
 睦月の頭を撫でながらささやく。
「…だめぇ…泳が、ない、でぇ…」
 無駄な願いと知りつつもそう呟く睦月がなんとも愛しい。
「…あれ、は…」
 精子の群れと一緒に子宮からその奥にまで入り込んだナノマシンの画面に、大きな丸いものが映し出される。
 表面にびっしりとおたまじゃくしたちが取りついたそれは…
「見つけた…宝物…」
 睦月の卵子。
 よく目をこらすと、表面が1ヶ所だけへこんで、おたまじゃくしが1匹、その頭をもぐりこませようとしている。
「!」
 画面を見ていた睦月がびくっと震える。

おたまじゃくし…泳いでるよぉ…

 そして、そのおたまじゃくし…俺の精子は、俺たち二人が見ているその目の前で、彼女の卵子の中に入り込んで行った。
「…できちゃ…た…あか、ちゃ、ん…でき、ちゃっ…た…」
 それはまさに受精の瞬間だった。
 睦月が震える声で、自分自身に宣告する。
「ああ…出来た、な。」
 俺もがくがくと震えはじめる睦月をしっかりと抱きしめて、その神秘の光景を見つめる。
 分析画面も、受精が完了したことを告げている。
 処女を破った初めてのセックスで、メスが自分の子を宿す…オスとしてこれほど完璧な生殖はないだろう。
「だめ、なんで、こん、な…」
 妊娠の恐怖に怯えるのと、目の前で絶望的な光景を見せ付けられるのと、どちらが睦月にとってより残酷なのだろう。
「…どうする?」
 俺が、ナノマシンに命令を下せばこの生まれたばかりの生命を消し去ることもたやすいことだった。
「このまま…産むんだったら、俺がお前も、子供も一生面倒見てやる。」
 たった1回のセックスで情が移るだなんて我ながら呆れ返るが、睦月の境遇を知り、そして、あの光景を見てしまった今となっては彼女に情が完全に移ってしまっている。
 俺は自分でも信じられないほどの誠実さで彼女にそう告げていた。
「だ、め…そ、れ…いや。」
 でも、睦月にしてみればこれがしごく当然の反応だろう。
 自分の処女を無理やり奪い、そして、望まない生命さえ与えられてしまったのだ。
「…わかった…それじゃ…可哀想だけど…」
 俺がナノマシンに命令を与えようとした時、睦月の手が俺の手を止める。
「だめ、なんだろ?」
 驚いて、睦月の顔をのぞき込む。
「う、ん…でも…」
 自分の中に生まれた新しい生命を消し去ることには凄まじいためらいがあるのだろう。
 そのまま、しばらくの沈黙が流れる。
「…よし…」
 俺の頭に一つのアイデアが浮かぶ。
「?…っ!」
 睦月の狭い膣から俺は精液と、処女血で汚れた息子をひき抜く。
 息子の先端から粘っこい白い糸が延びて、彼女との間に橋をかけた後、ぷつっとちぎれて処置台を汚す。
 彼女のぽっかり開いた膣口から、役目を果たしたやや黄ばんだ精液と彼女自身の血が混ざりあったものがどろりと溢れる。
「な、なに?」
 ごそごそと何かを引っ張り出そうとしている俺の背中に、睦月の心細げな声が聞こえる。
「ちょっとだけ、我慢してな…」
 ややあってからお目当てのモノを見つけ出し、睦月に向かって向き直る。
「全然使ってないもんだから、うまくいくかはわからないけど…」
 起きあがらせた睦月の身体を後ろから抱きしめて脚を開かせ、どろどろと精液がこぼれ出している秘裂の下に膿盆をあてがって、膣口にクスコを差し込む。
「え、やっ!いたいっ!」
 クスコの金属を伝ってどろりと精液が逆流するのもかまわず、俺は生理食塩水で睦月の膣を洗ってやる。
「ひ、いぃっ!」
 その感覚に睦月が悲鳴を上げる。
 膿盆におびただしい量の白濁液が溜まっていく。
「よし、と…ここからが、本番だからね…」
 涙を流して震えている睦月に優しくキスをして、クスコの中に赤い溶液で満たされた試験管を挿入する。
「うああっ!!!!」
 その異物感に悲鳴を上げる睦月。
「すぐ、すむから…」
 そして、ナノマシンに命令を送る。
 睦月の中の新しい生命がナノマシンで運ばれていき、赤い溶液に投入されたのを確認して、彼女の中から試験管を取りだす。
「それ、は?」
 俺の手の中の試験管を見て、睦月が問いかけてくる。
「…わかるだろ?」
 睦月のお腹を撫でてやる。
「…あ…」
 どうやら試験管の中に何が入っているかわかったらしい。
「ま、なんだ。こいつをどうするかは、ゆっくり決めていこうぜ。な?」
 試験管を急速冷凍機にセットして、微笑んでやる。
 体細胞の冷凍保存。
 この方法で卵子や精子、そして受精卵を保存するのは確立された技術だった。
 ただ、本来こういう用途で使うものではないのだが…
「は、い…」
 問題が解決したわけではなかったが、睦月にとってゆっくり考える時間が出来たことは事実だった。
「さっき言ったことも、かなりマジだからさ…」
 改めて言うとかなり照れる。
 本当にどうかしてると思うが、なんか、時間が経つにつれてそうなって欲しいなという気持ちが強くなっている。
「…はい…」
 そんな俺の心情を見透かしたのか、睦月がかすかな微笑みを浮かべて身体を預けてくる。
 俺は、もしかするとかなりなもうけ物を手に入れたのかもしれない…


見事命中してしまいましたが(笑)最終章、いかがでしたでしょうか。
読みづらい所も多々あったかと思いますが、ここまで読み進めていただいて、どうもありがとうございました。

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