すれ違い 投稿者:夢想

「はあ〜・・・まいったなあ」
真冬の夜、その日は初雪だった。そんな中、純一郎は部屋で頭を抱えていた。
「どうしたのさ父さん?」
「いやな…うん…今月の養育費がな…足りんのだ」
「・・・」
純一郎には離婚したもう一人の妻がいる。その人の子供の養育費が毎月毎月足りなくて困っているのだ。そんな父にじゅんは呆れていた。
「はあ、僕高校行かずに働くよ」
「それはいかんよ!高校は出るんだ!!ああ・・・しかし、思えば私が高校の時だった…」

******

話は過去にさかのぼる。
「純一郎〜お前、この前の彼女どうした?」
と、小さい頃からの親友の友宏が言った。
「ああ?一発やっておしまいさっ俺の好みじゃねぇし」
その時の俺はかなりの遊び人で女を作っては捨て、女を作っては捨ての繰り返しだった。
自分で言うのもなんだが、顔がかっこいいと評判でかなり女子にモテていた。その自信からこの余裕さ。
「お前はいいよな。俺なんてデブだしトロイし」
「お前のような汗臭い奴を好きだって女はかならずいるぜ♪」
俺は親友の友宏に毎回この台詞を吐くのが日課になっていた。
「あ〜もう。いいよそれは・・・はいはいありがとう」
「ごめんごめん。明日は卒業式だしよ、祝いに真奈美と三人でカラオケ行こうぜ」
真奈美とは俺と友宏の昔からの幼馴染だ。セミロングで目が大きい可愛い子だ。よく小さい頃は三人で白雪姫ごっこをしたものだ。もちろん俺が王子で真奈美が白雪姫だ。友宏とはいうと、小人ではないぞ。ましてや魔女でもない。そう、王子が乗る馬だ。
俺は卒業式の日、真奈美と友宏の三人でカラオケボックスに来ていた。しばらく歌っていたら、突然友宏が腹痛を起こし、トイレに行ってしまったのだ。
「友宏君遅いね純君」
「そうだな。たく・・・あいついつもこういう遊んでるに腹が痛くなるんだよな。今頃ゲリぴ〜だぜ」
「もうっ大丈夫かなあ?何かほっとけないよ」
友宏を待っている間、俺たちは二人で歌っていた。一通り歌って疲れてジュースを飲んでいた。
「なあ真奈美」
「え?」
考えてみれば俺は真奈美とは一度もやったことがない。
「あのさ、俺と付き合わねぇか?」
もちろんここで真奈美からはいと返事が来て、それから二人でホテルへ…
「ごめんなさい」
予想外の言葉が返ってきた。
「はっ…?何で?」
「私好きな人がいるの」
「嘘だろ俺以外に誰が好きなんだよっ」
てっきり真奈美は俺のことを好きなんだとばかり思っていた。
そして、真奈美の口から更に予想外な答えが返ってきた。
「友宏君・・・」
ともひろ・・・?親友のデブで汗臭い伊藤友宏??
俺は信じられなかった。確かに友宏はいい奴で優しいが、外見は言っちゃ悪いが全然良くない。
俺はプライドがずたずたになった気分だった。俺は真奈美を押し倒してしまった。
「きゃあ!」
「真奈美っ!俺のがいいのよな!?そうだろ?」
「やめて純君!私っ」
俺は真奈美の制服のブラウスを脱がした。
「俺は空手だってやってるし喧嘩だって強いんだぜ?頭だっていいしっ顔だって・・・」
真奈美はいやいやと俺をぽかぽか殴る。
俺は真奈美の胸を両手で強く掴んだ。
「痛いよっ純君」
俺は真奈美の胸を力任せに揉んだ。真奈美は悲鳴をあげたが、周りの騒音でかき消されてしまった。
俺は真奈美のスカートの中に手を伸ばし、敏感な部分を指で擦った。
「いやっあぁ」
真奈美は体をよじらせた。俺は真奈美を裸にし、制服のリボンで手首を縛った。
真奈美のあそこに唇を寄せ、舌で刺激をした。
「はぁんっ」
俺は愛撫し続け、真奈美は軽くいってしまった。
「はぁはぁ・・・もっこれ以上はやめて純君」
俺は真奈美の秘所に自分の肉棒を押し当てた。いつもの俺らしくない。順番がなってない。どうしたっていうんだ。たかが真奈美じゃないか…。
俺は真奈美に体重をかけ、根元まで挿入した。
「あんっ」
しかし、案外スムーズに入った。
「真奈美・・・お前初めてじゃないんだな・・・誰なんだ相手は」
真奈美は泣きながら黙っていた。そんな真奈美に頭にきたのか、俺は思いっきり腰を動かし、激しく真奈美を突いた。
「あうっああんっ」
いつもの俺ならゆっくり突くのだが、真奈美だと何故こんなにも我を忘れてしまうんだ。俺は真奈美のことが好きなのか・・・そうだ・・・俺は真奈美が好きだったんだ。
「いやっああっあっ」
「くっ・・・」
俺は絶頂を迎えつつあった。
「真奈美っ外に出すから・・・」
しかし、次の真奈美の言葉で、俺は外に出すことをやめてしまったのだ。
「あっあああ友宏!!!」
俺は真奈美の膣の中に大量の精液を流し込んでしまった。
その時俺は、真奈美を妊娠させれば俺の物になるんじゃないかと思ったのだ。
扉のばたんという音が聞こえ、突然俺の頬に衝撃が来た。俺はその場に倒れこんだ。
一瞬の出来事で何が起こったのかわからなかった。
「大丈夫か!真奈美!!」
俺は、やっとわかった。そいつ…いや友宏に殴られたのだ。一度も俺に手を出さなかった、俺の子分的存在の友宏が…
友宏は俺の胸倉を掴み、もう一発俺を殴った。
「お前が真奈美を好きだったのを知っていた・・・だけど、俺は言えなかった・・・俺と真奈美が付き合ってたことを」
友宏はまだ腹痛が治ってないみたいで、腹を押えながら言った。
「だけど、今日言うつもりだった・・・」
友宏は目にいっぱい涙を浮かべていた。
その瞬間・・・俺たち三人の関係は終わったのだ・・・
友宏と真奈美はというと、俺が真奈美を妊娠させてしまったため、長くは続かなかったらしい。
その後、俺と真奈美は結婚したが、すぐに離婚した。
あの時思えば、もっと早く二人が付き合っていたことを教えて欲しかった。

俺たち、親友じゃなかったのかよ・・・

****

「よしっ何とかじゅんの貯金を下ろしたら払えたぞ!」
「あ〜〜〜!!父さんっそれ僕の・・・」
純一郎はにやにやしてじゅんの通帳を懐にしまった。
「あっ!ちょっと父さん!!」
うそうそと純一郎は通帳をじゅんに返した。もちろん通帳からは一円も下ろしていない。
「さて、じゅん。稽古でもするか?」



夢想さんいらっしゃいませ〜
またまた続編ですね〜!
変態親父としか思っていなかった純一郎にもハードな過去があったのですね。
若干見る目が変わりましたよ(笑)
ありがとうございました!

ぎゃらり〜へ