アイツの日記帳 投稿者:K

M「あの、ここのご主人って今いますか?」
「あなた達はご主人様のお友達ですね。あいにく、ご主人様は夕方まで出かけております。」
M「そうですか・・・じゃあ、ここで待たせてもらってもいいですか?」
「はい、いいですよ。」
今日はある『特訓』を受けにこの家に来たのだが、肝心のアイツがいない。もっともアイツがこんな昼間にいるっていうことが珍しいことなので、そんなに違和感を感じることはないが・・・
M「なあ、どうする?」
S「僕も一緒に待つよ。それにしても、大きい屋敷だね。」
J「僕も。君の弟って、こんなに金持ちだったの?」
M「べっ、別に弟ってわけじゃないよ。アイツはもう1人の『造られた』僕だし・・・それに、この家もアイツが住む前は別の人間が住んでた家だから・・・」
そう、彼はもう一人の『造られた』僕である。ある一人の科学者が僕の遺伝子から造りだしたのが彼。もっともその科学者の裏には巨大な組織が絡んでいて、その陰謀によって生み出された僕の『分身』なのである。
J「ちょっと散策してみてもいいかな?どうせ、夕方まで暇だし。」僕の友達が言う。
M「ああ、かまわないと思うよ。君はどうする?」
S「じゃあ、僕もゆっくりしてこうかな。ここの庭、すごく気に入ったから・・・」彼もここにいたいようだ。
M「そう?それじゃ僕は・・・ジョーイさんと話でもしてようかな。」僕がそういうと、
「それなら、何か飲み物でも用意しますね。」彼女はすぐに言葉を返してくれた。
M「ありがとうございます。」少し微笑んで彼女に返した。
しかしアイツ、今日は誰とヤってるんだろうな・・・

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J「ねえ見てよ、こんなもの見つけちゃった。」
彼女と2人で話をしているときに僕の友達が小さな手帳みたいなものを持ってやってきた。
M「なんだこれ?日記帳みたいだな・・・んっ、なんか名前が書いてある。」
「この筆跡は・・・ご主人様のものじゃないかしら?」
S「えっ、なになに?結構古びた日記帳だね。何年前から使ってるのかな?」
J「ねえ、見てみようよ。」
M「いやいや、アイツの事だからあまりたいしたことは書いてない気がする。」
S「でも、結構使い古した感じだし、なんかいろいろ書いてありそうじゃない?」
M「そうか?じゃあ、ちょっと見てみるか。」
僕らは彼が毎日書いていたと思われる日記帳を開いた。その書き出しはこうつづられていた。
『2月16日 今日、町で異様な光景を目にした。路地裏に女性が1人、うつろな目で横たわっている姿だった。その女性はどうやら男数人に性的暴行を受けた様子で、彼女は処女だろうか、秘所から血と白濁を垂流していた。』
M「・・・これって、輪姦された後の生々しい様子じゃないか?」
J「想像しただけで身の毛がよだつ・・・」
S「続き、読んでみようよ。」
『私はすぐさま彼女に声をかけた。彼女は私に気がついたとたん、悲鳴を上げて私との距離を離した。彼女は服を剥ぎ取られ全裸の状態で、恐怖におびえた目をしていた。よほど怖い目にあったのだろう。私はそんな怯える彼女を自らの能力で落ち着かせた。そして、私が羽織っていたマントを彼女に着せ、彼女の家で事情を聞くことにした。』

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『話によると、彼女が働いている施設ではたびたびこの町周辺に縄張りを持つ暴力団の襲撃を受けていた。彼らは強盗、窃盗、麻薬密輸などを働いており、この町の治安悪化の原因でもあった。それに数週間前、彼女の働き先のすぐ隣にある店で強盗殺人事件が起こり、ここ数ヶ月間その組織の横暴は著しく悪化しているという。』
M「なんてひどいヤツらなんだ・・・」
S「まさしく悪、って感じ・・・」
J「その続きはどうなってる?」僕らはその日記帳にすっかり見入っていた。
『その話を聞いた私は彼女の記憶を読み取り、その情報を頼りに行動に移した。私は彼らに対する怒りを感じると同時に、彼女に同情を抱いた。私も以前は、悪の組織に追われる身であったからだ。そして彼女に対してこう言った。「大丈夫だ。お前が見た悪夢はかならず終わりがある」、と。』

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僕らはその日記の続きのページを開いたが、何も書いていない。
M「あれ、何で書いてないんだ?」
J「何か細工でもしてあるんじゃないの?」
S「そうかも・・・あれ、日記が・・・」
その日記は、続きの内容がなく不思議に思っている僕らの前から突然消えた。
結局、僕らはその日記の続きを知ることはできなかった・・・
M「・・・まさかアイツ・・・その相手の女性知られたくなかったんじゃないか?」
S「そうかもしれない。あの人にも色々あるから・・・」
J「そこんとこは、あまりその人にも聞かないほうがいいみたいだね。」
M「そうだな・・・」


「どうした、浮かない顔して・・・」あの日記の内容が気なっている僕に『アイツ』が話しかける。
M「別に、何でもないよ・・・」外の景色を見つめながら僕が言う。
「気になるのか、その日記の続きが。」
M「えっ、どうしてそれを?」
「ああ、ジョーイから聞いた。・・・知りたいか、続き・・・」うつむきながら彼が言う。
M「いいの?」「お前にだけな。」
そして彼は耳元で僕にささやいた。(私と一緒に住んでいる彼女と日記の中の彼女は同一人物だ。それに、あの後私は・・・童貞を捨てた。いや、彼女が奪ったという表現が正しいかもな・・・)
M「・・・アンタにも色々あるんだね。」
「お前ほどじゃないさ・・・さっ、そろそろ夕食にするか・・・」
M「『特訓』はその後?」
「ああ、たっぷりやる。特にお前の連れの2人はおもっいきり可愛がってやるさ・・・」
M「アンタらしいや・・・」
そして今日も、この家は夜遅くまで明かりが灯っていた。それにしてもアイツの日記、続きが気になるなぁ・・・・




Kさんの投稿は前からの続きのポ○モン3人衆ですね。
特訓とかいいながらいろいろと楽しみに来ているのではとか思ったり(笑)
それでも、みんないろいろ事情があるようで…
この続きも結構気になります〜
ありがとうございます〜

ぎゃらり〜へ