「…なんか、すごくどきどきしちゃいました…」
くてっと頭を預けてくる睦月と手を繋ぎながら、夜の町を歩く。
「あんな大胆なことされるなんて、思っても見なかったよ。」
これは正直なところ。
でもまあ、嬉しいのと興奮したのとでこっちも乗ってしまったので強くは言えない。
「…だって…」
もにょもにょと何か口の中で言ってる睦月。
その様子も可愛くて、この話題は打ち切りにする。
「電車とか、乗らないですよね?ホテルまで…」
ややあって、睦月が上目づかいで聞いてくる。
「ああ、まあ、ちょっとあるけど歩いていけない距離じゃないし、キャブ乗るにも中途半端だし。」
どうしたのかと聞いてみると、くいっと俺の耳を引っ張ってくる。
「…せーしの匂い…たぶん…その、すごいと思うから…」
ささやかれて思わず吹き出しかける。
「…だって、足首まで…流れちゃってるし…」
慌てて見ると、周りがそれほど明るくないので気が付かなかったが、確かに睦月の内腿にきらきら光る筋。
「…」
俺の方が赤面して、黙ってティッシュを渡す。
「ありがと、礼二さん。」
受けとってそういう睦月。
「…んーと。」
店屋の間の路地にちょっとお邪魔して、脚に流れたのを取りあえず清めさせる。
「礼二さんったら…たくさんだし過ぎ。」
睦月が汚れたティッシュを見せながら笑いかけてくる。
「がんばって、奥に入ってたのも出しちゃったつもりなのに…歩いてたらどろどろって出てくるんですよ。」
立ち上がり、さっきよりもさらに密着してくる睦月。
「急いで、ホテル行こうか…」

チェックインした部屋は豪華ではないけど清潔で広い部屋。
食事はホテルのルームサービスですませて、あとは2人だけの時間。
「船の中と違って、広いですね。やっぱり。」
シャワールームの方から睦月の嬉しそうな声がする。
ふと見ると、脱いだ服をきちんとたたんでいるのがなんとも彼女らしい所ではある。
久々の広いベッドに足を投げ出して行儀悪く座り、結構いいワインなんか飲んでいると気分が高揚してくる。
「気持ちよかったですよ、礼二さん。」
ややいい気持ちでいたところにふわっと石けんの香りとともに現れる睦月。
「ん、いい匂い。」
タオルを巻いただけの身体を抱き寄せ、軽くキスする。
「あ、だめ、待ってください。」
もう少しディープなキスに移行しようとしてするりと逃げられる。
「キレイになってから…」
いたずらっぽく睦月が笑う。
どっちが年上なのかこれじゃ分からんなと苦笑しつつ、俺もシャワールームへ…

シャワールームから出ると、薄いシルクのベビードールの上だけをまとった睦月の姿。
「あ…」
布地越しに透けるその身体は、ハイティーンの少女には思えないほど肉感的で、美しい。
「礼二さん…まって…ました、よ…」
睦月が俺の名前をつぶやき、しどけなく足を崩してみせる。
下世話な言い方だが、男の味を覚えた女の子の色気が立ち上るかのような睦月の様子。
「睦月…」
太腿の間に垣間見える肉色の花びらの間からとろとろと溢れ出る果汁が、ベッドサイドのランプに照らされてきらきらと輝く。
「まだ…こんなことでしかお役に立てませんけど…」
睦月が切なげに目を伏せる。
…そんな顔をされると、かなり、やばい。
「さっき、側にいてくれればいいって言われて…倒れそうになるくらい、嬉しかったんですよ。」
ぽろぽろと睦月の目から涙が零れだす。
…ここで泣かれると…ますます俺の方がどうにかなりそうだ…
「わたし、礼二さんに会えて…本当によかった。」
涙に濡れた顔に幸せそうな微笑みが戻る。
…とうとう、俺の理性がそこで壊れた。
「睦月っ!」
俺は睦月をがば、と抱き寄せ、ベッドに倒れ込んでいった。
「あ、礼二さん…」
みずからそっと身体を開き、俺の背中に手を回してやわらかく笑う睦月。
「今日も、俺…多分…むちゃくちゃしちまいそうだ…」
最後の理性を振り絞って、愛しくてたまらない少女に許しを乞う。
彼女の純潔を奪った日以来、何度となく自分勝手な欲望のままに彼女を穢した。
その度に痛いくらいの罪悪感を感じているのに、どうしても止められない自分が情けない。
「礼二さんになら、どんなことされても、平気です…」
俺の胸板を撫でながら睦月が答える。
「だから、わたしを思う存分可愛がってください。」
そして、俺の目をまっすぐ見つめて睦月は言い切った。
「わかった…睦月のなにもかも…可愛がって…あげる。」
獣のように襲いかかりたいくらいの衝動を押え込んで、俺は睦月を抱きしめた。
心の底からの喜びをぶつけるように、睦月も俺の身体をぎゅっと抱きしめ返す。
「えへへ…初夜って…こんな感じなんでしょうか…」
楽しげで、嬉しげな睦月の声。
「う…」
最悪の初体験を迎えさせてしまった罪悪感に心が痛む。
「今日も、あかちゃん…できちゃうかも知れませんね。」
俺の表情を見て、俺が何を考えていたか睦月も察したのか耳元にいたずらっぽくささやいてくる。
「そしたら、二人まとめて…産んでもいいですか?」
とんでもないことを満面の微笑みと一緒に言われる。
が、俺はもう迷わない。
「ああ、そうして、欲しい。」
俺はそうはっきりと答え、睦月の唇を塞いでいった。


投票1位はまたまた睦月さん〜
ベビードール着用で誘っております(爆)
先にシャワーを浴びたハズなのに、すでにぬれぬれムンムンでございます(核爆)

ぎゃらり〜へ